介護保険を利用した通院の付き添いや介助には「診察室への同席ができない」「出発地または到着地が自宅でなければならない」など、制度上の制限が存在します。

  • 「本人が診察の内容を把握できているか心配
  • 介護認定は受けていないけれど、不安だから通院に付き添って欲しい」
  • 通院のついでに散歩や買いものなどの外出も済ませたい」

など、悩まれている方も多いのではないでしょうか。

介護保険外(自費)のサービスであれば、通院介助をより柔軟に利用できる可能性があります(提供範囲は事業者により異なります)。

そこで本記事では、介護保険内と保険外(自費)サービスとの違いや、利用方法、料金相場などを解説します。

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介護保険で通院介助はどこまでカバーできる?

介護保険内の通院介助は、ヘルパーが自宅から病院まで付き添い、移動の安全確保をサポートすることが主な内容です。

一方で、院内での介助は原則保険の対象外で、ケアマネジャーが必要と認めた場合に限られます

介護保険内でカバーできる通院介助の内容

  • 外出の準備
  • 病院までの移動と送迎
  • 病院に到着してからは限定的にサポート可能

詳しくみていきましょう。

外出の準備

通院介助は、出発前の自宅での準備からサポートします

以下のようなことをヘルパーが手伝います。

  • 外出着への着替え
  • 保険証、お薬手帳などの持ち物確認
  • 靴を履く際の補助 など

所要時間は20分から30分程度が一般的です。

ひとり暮らしの方や認知機能に不安がある方は、着替えに時間がかかったり、忘れ物をしたりして外出(通院)自体を諦めてしまうこともあります。

専門スタッフが声をかけながら一緒に準備することで、ご本人も落ち着いて出発でき、予定通りに受診できます。

病院までの移動と送迎

自宅から病院への移動行程も介助の対象です。

足元がおぼつかない状態での外出は、転倒のリスクを伴います。また、一人では交通機関の利用が難しいことも少なくありません。

そこでヘルパーは、玄関から公共交通機関の乗り場までの歩行の付き添い・車椅子の操作、バスや電車の乗り降りなどをサポートします。

介護のプロが移動中の急な体調変化にも配慮しながら、安全に医療機関までご案内できることが大きなメリットといえます。

介護保険では、公共交通機関での移動の同行は身体介護として、車での送迎は通院等乗降介助として対応します(※運用方法は事業所・自治体に確認が必要)。

病院に到着してからは限定的にサポート可能

病院に到着した後の受付や会計、院内での移動は、原則として医療機関のスタッフが対応する範囲とされています。

介護保険の通院介助でカバーされるのは、基本的に「自宅から病院、病院から自宅までの移動」 と考えておくとよいでしょう。

ただし、すべてが対象外というわけではありません。

次の条件を満たす場合に限り、院内での介助が例外的に認められることがあります。

介護保険での院内の介助が認められるケース(一例)

  • 院内のスタッフでは対応が難しい
  • ケアマネジャーがケアプランに位置づけている
  • ご本人が介助を必要とする心身の状態にある

このようなケースでは、院内の移動の付き添い・見守り・排泄の介助といった身体的なサポートが介護保険の範囲内で可能となる場合があります。

一方で、受付や会計の代行、診察室への同席までは介護保険では原則対応できません(詳細は後述)。

介護保険の通院介助で知っておきたい3つのルール

介護保険を利用した通院介助には、制度上のルールが存在します。

  1. 診察室への同席や待ち時間の付き添いは不可
  2. 出発か到着は「自宅」に限定される
  3. サービスの間隔を空ける「2時間ルール」

それぞれみていきましょう。

ルール1.診察室への同席や待ち時間の付き添いは不可

診察室への同席や待合室での付き添いは、原則として介護保険の対象外です。

前述のとおり、病院内での介助は医療機関のスタッフが担うものとされているためです。

診察までの待ち時間も対象外とみなされ、ヘルパーに付き添い続けてもらうのは難しいのが現状です。

※ただし、重度の認知症や排泄介助が必要な場合などは、例外的に認められるケースがあります。

ルール2.出発か到着は「自宅」に限定される

訪問介護の通院介助では、自宅を出発点または終点とする必要があります。

居宅サービスは、自宅で提供されるものと定義されているためです。

たとえばデイサービスから病院へ直接向かうような、自宅を介さない移動には保険が適用されません

一方、自宅からデイサービスを経由して病院に向かう場合は対応できます

また、帰りに銀行へ立ち寄るなどの寄り道は、あらかじめケアマネジャーへの相談が必要です。

ルール3.サービスの間隔を空ける「2時間ルール」

介護保険には、同じ日にサービスを2回使うとき、1回目が終わってから2回目が始まるまで2時間以上あける、という決まりがあります。

間隔が2時間より短いと、2つのサービスがまとめて計算され、サービスの区切り方や料金が変わることがあります。

たとえば、午前に通院の付き添いを使った後、すぐ別の介助を受けたい場合でも、2時間の空き時間が必要です。

病院の混雑や待ち時間で通院が長引くと、帰宅後の予定を組み直すことになるため、急いで帰宅するといった場面もあります。

予定が変わりそうなときの対応は、事前にケアマネジャーと相談しておくと安心です。

参考:老企第36号通知(p.9)|厚生労働省

介護タクシーと通院介助との違いは?

「通院介助」と「介護タクシー」 は混同されがちですが、前者は「人への介助サービス」、後者は「移動の手段(車両)」を指す言葉です。

さらに介護保険には、両者をつなぐ「通院等乗降介助」というサービスもあります。

まずは違いを整理しましょう。

※横にスクロールできます→

通院介助介護タクシー通院等乗降介助
概要人への介助サービス福祉車両を使った移動手段介護保険の介助メニューの一つ
中心となる支援外出準備・移動の付き添い・院内介助(一部)乗降と運送乗降介助+前後の移動介助
運転ヘルパーが付き添う(運転は別)資格を持つ運転手(介護職員初任者研修修了者など)ヘルパー(介護職員初任者研修修了者等)が運転
介護保険訪問介護として適用運賃は保険対象外(介助部分のみ別途)介護保険を適用
費用イメージ身体介護等の自己負担(1〜3割)運賃は全額自己負担+介助料1回あたり約100円程度(1割の場合)

通院介助:移動に「付き添う」サービス

通院介助は、ヘルパーが外出の準備から移動、院内の一部介助までを通して支える「人へのサポート」です。

移動手段は徒歩・公共交通機関・車などさまざまで、ヘルパー自身が運転するとは限りません。

介護タクシー:通院の「移動手段」

介護タクシーは、車椅子やストレッチャーのまま乗車できる福祉車両を使った移動手段です。

運転手は介護職員初任者研修修了者などの資格を持つ場合が多く、乗り降りの介助も行います。ただし運賃そのものは介護保険の対象外で、全額自己負担です。

通院等乗降介助:両者をつなぐ介護保険メニュー

「通院等乗降介助」は、ヘルパーが自ら運転する車両への乗降介助に加え、その前後の移動や受診手続きの介助を行う場合に、介護保険で算定されるサービスです。

1回あたりの自己負担は1割負担で約100円程度が目安となります。

参考:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準」、通院等乗降介助の取扱いに関する通知

どれを選べばいい?

  • 移動の安全確保や受診の付き添いが中心 → 通院介助
  • 車椅子のまま移動したい・運送が必要 → 介護タクシー
  • 介護保険を使って乗降を支えてほしい → 通院等乗降介助

なお、受付から会計、診察室への同席まで一貫して付き添ってほしい場合は、これらの制度の枠を超えて柔軟に対応できる保険外(自費)サービスが選択肢になります。

※3者の区別や算定は地域・保険者によって運用が異なる場合があります。詳細はケアマネジャーや事業所にご確認ください。

介護保険外(自費)の通院介助を選ぶ3つのメリット

介護保険には避けられないさまざまな制約があることを解説しましたが、民間の保険外(自費)サービスでは、病院内での介助も含めて、ご本人に必要なサービスを柔軟に受けられます。

介護保険外(自費)の通院介助を利用する主なメリットとして、以下の3つがあげられます。

  1. 診察内容を正確に把握でき、安心感につながる
  2. プロの視点で体調の変化に気づける
  3. 仕事や私生活の時間を守りながら介護を続けられる

それぞれみていきましょう。

介護認定なしでも受けられる民間・公的サービスの種類や費用、活用例を解説します。「親の生活や体調が心配だけど、介護認定を受けていない」という場合でも、適切に自費サービスを活用することで親も自分自身も安心できる生活を実現しましょう。
介護認定なしでも受けられるサービスの種類・内容・費用相場を徹底解説!

メリット1:診察内容を正確に把握でき、安心感につながる

介護保険では制限される「診察室への入室」が保険外サービスでは可能なため、ご本人の記憶違いや曖昧な認識によるリスクを解消できます。

保険外サービスの通院介助でできること
※こころのライフサポートの場合(事業者によって変わります。)

  • 診察室への同行
  • ご本人の状態や近況を医師に報告する
  • 診察の内容を記録し、ご家族に共有する
  • 次回の診察を予約する
  • 自宅・病院間の移動介助・送迎

保険外であれば、スタッフが診察に同席して説明を聞き、治療方針や薬の変更を代わりに把握する、ご家族に共有するといったことが可能です。

さらに、次回の予約や、現地での移動手段(タクシー等)の手配など、受診にともなう細かな段取りも、ご希望に応じて任せられます。

「こころのライフサポート」ご利用者・ご家族の声

  • 「普段の食事や排泄、お薬を飲めているか、体重の変化など、本人が説明できないことを施設から聞き取って医師に伝えてくれるので安心できる」
  • 「診察の内容をメモにまとめてくれるので、後から見返せる」
  • 「通院の次回予約まで頼めるのが良い」
  • 「現地でのタクシーの手配までお願いできて助かっている」

※当社がサービスをご利用いただいたお客様から実際にいただいた声です。個人の感想であり、お身体やご利用の状況により感じ方には個人差があります。

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メリット2:プロの視点で体調の変化に気づける

有資格者が受診に同行することで、普段と違う様子の変化に気づき、早めに医療機関への相談につなげるきっかけになる場合があります。

外出時の歩行のふらつきや支払い時の戸惑いなど、自宅では見えにくい変化もプロの客観的な視点なら見逃しません。

異変を速やかにキャッチできれば、医療機関への相談やケアプランの見直しを迅速に行うことが可能です。

重症化の防止に役立つだけでなく、将来への不安軽減につながるでしょう。

メリット3:仕事や私生活の時間を守りながら介護を続けられる

親御様の介護を行っている方にとっては、保険外サービスの利用によって自身のキャリアや生活時間を守りながら介護を継続できる環境が整います

ご自身の生活を大切にすることが、結果としてご家族を想い続ける心のゆとりを生み、さまざまなサービスを組み合わせた質の高いサポートが可能になるでしょう。

通院介助の費用目安

通院介助の費用は、介護保険内のサービスを受けるか、全額自己負担の民間サービスを選ぶかで大きく変わります。

ここでは、それぞれの料金体系や負担額の目安を解説します。

介護保険を利用した場合の自己負担額

介護保険を利用して通院を支援する場合、訪問介護の「身体介護」または「通院等乗降介助」で対応します。

身体介護で通院介助を行う場合、自己負担は所得に応じて1〜3割で、サービスの利用時間が長くなるほど費用も高くなります

また、タクシー代や車椅子のレンタル料などは介護保険の対象外のため、別途全額自己負担です。

▼身体介護の自己負担額(1割負担、1単位=10円の場合)
※地域区分により9.45〜10.90円。上記は目安

利用時間1割負担2割負担3割負担
20分未満163円326円489円
20分〜30分未満244円488円732円
30分〜1時間未満387円774円1,164円
1時間以上567円(30分増すごとに+82円)1,134円(30分増すごとに+164円)1,701円(30分増すごとに+246円)

参照:厚生労働省「介護報酬の算定構造」

なお、車の乗り降りの介助のみが必要な場合は「通院等乗降介助」を利用できることがあり、1割負担の場合は1回100円程度で利用できます。

介護保険外(自費)サービスの料金相場

民間企業による保険外サービスの料金は、1時間あたり3,000円〜7,000円程度が目安です。

交通費を含めた1回あたりの総額は4,000円程度〜 となるケースが多くみられます。

保険適用外のため高額になりますが、診察室への同席や長時間の待ち時間の見守り、受診後の買い物同行といった柔軟な支援を受けられます。

スタッフの交通費が別途発生する場合もありますが、ご家族に代わりプロが詳細な受診報告を行う安心感は、価格に見合う価値があるとも考えられます。

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通院介助の利用方法と流れ

通院介助を利用する流れは、介護保険を利用する場合と、保険外(自費)サービスを利用する場合で異なります。

介護保険を利用する場合

介護保険を利用するには、要介護認定の申請やケアプランの作成といった公的な手続きが必要です。

利用開始までに1〜2ヶ月かかることがあるため、受診に合わせて計画的に準備する必要があります。

ステップ内容
1.要介護認定の申請・市区町村の窓口で申請する
・認定結果が出るまで約30日かかる
2.ケアマネジャーへの相談・担当のケアマネジャーに「一人での通院が困難である」と判断してもらう必要がある
3.ケアプランの作成・介助の頻度や内容をケアプランに組み込む
4.契約・利用開始・訪問介護事業所と契約を結び、サービス開始

保険外サービスを利用する場合

ステップ内容
1.事業者への問い合わせ・電話やWebサイトから直接相談
2.打ち合わせ・見積もり・スタッフが自宅を訪問
・診察への同席や買い物同行などの細かな要望をヒアリングして最適なプランを提示
3.契約・内容に納得すれば、即座に契約が可能
4.利用開始・最短で相談したその日から利用できる事業者もあり、急な通院にも柔軟に対応

保険外サービスは、民間事業者と直接契約するため、手続きが簡潔です。

認定の有無を問わず、お困りごとの内容に合わせてスピーディーに開始できるのが特徴です。

まとめ

通院介助には介護保険の制限がありますが、保険外サービスを組み合わせることで、診察への同席や柔軟な移動が可能になります。

プロの力を借りることは、ご本人の健康を守るだけでなく、ご家族が自分自身の生活を大切にするためにも有効な手段です。

「自分たちに合う方法を知りたい」「具体的な費用を把握したい」とお悩みの方は、ぜひ「こころのライフサポート」へご相談ください。

初回相談は無料です。介護福祉士・ケアマネジャー資格を持つスタッフが真心を込めてお話をお伺いします。

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よくある質問
要介護認定がなくても利用できますか?
はい。要介護認定を受けていなくても、保険外サービスであれば通院介助を利用できます。

介護保険外サービスでは、申請から認定結果が出るまで待つ必要がなく、困ったときに直接事業者と連絡を取り、サービスを利用できます。

本記事で紹介した介護保険の2時間ルールやサポート内容の制限もなく、柔軟に必要な支援を受けられます。
通院介助では、診察室の中まで付き添ってもらえますか?
利用するサービスの種類によって異なります。

介護保険では、病院スタッフが担う範囲とされるため、原則として同席は認められません。

一方、保険外サービスであれば診察室の中まで付き添うことが可能です。

医師の説明をご家族に代わって聞き、詳細に報告できる点は、保険外サービスの大きな強みです。
通院の帰りに買い物へ寄ることは可能ですか?
介護保険では原則として、自宅と病院の往復に限定されます。

寄り道をするには、日常生活に不可欠な範囲として事前にケアプランへの記載が必要です。

対して、保険外サービスは行き先を柔軟に指定できます。スーパーでの買い物や市役所での手続きなど、受診後の予定に合わせて自由に組み合わせられるのが特徴です。
急な通院でも対応してもらえますか?
介護保険外サービスでは、当日の依頼に即日対応している事業所もあります。

介護保険は事前にケアプランを組む必要があるため、急な利用は調整が難しいのが実情です。

急な発熱や怪我などで付き添いが必要になった際は、迅速に動ける民間サービスの活用を検討するとよいでしょう。